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最近のダイビング事故は?どんなダイバーにどんな事故が多いかまとめてみました◎

こんにちは!ダイビングインストラクターのかっきーです◎
今回はこれからダイビングを始める方、ダイビングを始めたばかりの方、中堅・ベテランすべてのダイバーに向けての記事です。
そう、安全潜水についてです!!!
ダイビング
胸に手を当てて自分に聞いてみてください。
前回のダイビング、本当に安全潜水を徹底できましたか?
潜水事故が起きなかった=安全潜水だと思っていませんか?
ダイビングを楽しみながら心のどこかで「何かあったら誰かが助けてくれる」、「自分より上手な人がなんとかしてくれる」
そんな風に思っていませんか?
今回の記事は多くのダイバーさんの心にチクッと刺さる内容かもしれませんが、
安全のためにと思って読んでみてくださいね(^^♪

目次

スキューバダイビング事故の件数は?
スキューバダイビングの事故で最も多い年齢層は?
最多事故率のスキューバダイビング経験本数は?
スキューバダイビングの事故の原因は?
事故の原因になりうる状況
誰でもできるダイビングの事故予防
ダイビング前にできる事故予防
ダイビング中にできる事故予防
まとめ

 

 

スキューバダイビング事故の件数は?

普段からダイビングを楽しむダイバーさんでも実際に事故現場に遭遇したことのある方は少ないでしょう。
テレビでも毎年夏にニュースで「川遊びをしていた~」といった感じでスキューバダイビング関連の事故はあまり目にしないと思います。
では実際のところ年間でどれくらいスキューバダイビングの事故が発生しているのかといいますと、
2012年~2020年の10年間で平均45件です。
そして恐ろしいことに2022年の最新事故件数は現時点(2022年11月末)で平均数を上回り、過去最多レベルでの事故発生件数となっています。
昨今のコロナ事情も相まってダイビングを楽しむ方が増えた(戻ってきた)背景にはブランクによる事故も発生しています。
ではもう少しスキューバダイビングの事故について細かく考えてみます◎

スキューバダイビングの事故で最も多い年齢層は?

幅広い年齢層の方が楽しめるスキューバダイビングですが、過去の事故で最も多い年齢層は50代以上でした。
もちろん10代20代の方の事故もありますが、これだけでは「体力の衰え」だけがスキューバダイビングの事故の原因に見えてしまいます。
他のデータも参考にしてから本当の事故の原因を考えてみます。

最多事故率のスキューバダイビング経験本数は?

ダイビングは経験を積むことで知識・技術を磨いていくスポーツです。
その点を踏まえての最多事故率のスキューバダイビング経験本数ですが、
不本意ながら経験本数100本以上のベテランダイバーが全体の約40%を占めています。
次いで経験本数0~10本のビギナーさんですが、実はベテランダイバーが事故率最多なんですね。
なんとも残念というか恥ずかしいというか情けないというか。
この2つのデータだけでもスキューバダイビングの事故の原因が見えてきますね。

スキューバダイビングの事故の原因は?

後ほど事故原因になりうる状況等を紹介しますが、スキューバダイビングの事故の根本的な原因は、「慢心」です。
経験本数を重ねるごとに基本的な安全潜水を忘れてしまうということです。
スキューバダイビングの事故はいきなり大きな事故が起こることはまずありません。(いきなりタンクが背中で爆発とか)
多くの事故が小さなニアミスが集まって発生する特性があります。
要は事前に確認作業をすることで防ぐことができるケースが極めて多いのです。
スキューバダイビングにおいて「慢心」は何より怖いものなんですね。

事故の原因になりうる状況

ここからは実際にスキューバダイビングの事故に繋がってしまったものをいくつか紹介していきます。
原因をいくつ思い浮かべることができるかが事故予防の第一歩です◎
一つでも多く事故の原因を知って事故予防やトラブル回避の引き出しを増やしておきましょう。

事故の原因その①ロスト

ファンダイブや講習中に水中で行方不明になることを一般的に「ロスト」といいます。
ロストの過程は多岐に渡るので、どんなケースが考えられるか紹介します。

カメラに夢中で気づいた時にはひとりぼっち

お目当ての生き物がいたりイメージ通りの構図が撮れそうな時にはカメラに夢中になってしまいます。
僕も水中カメラが大好きなので気持ちはわかります。
ですが周りの動きも見ながら水中カメラを構えましょう。

ガイドの泳ぐペースが速すぎる

これはガイドを担当するダイバーが気をつけないといけないケースです。
みんなのペースについていけず、疲れておいて行かれてしまう・・・
しかも僕の経験上、新米インストラクターや新米ガイドさんよりもベテランガイドに多い気がします。
いろんなところでダイビングをしているとごくごくたまーに出くわします(笑)
「こんなこともできないんですか?」みたいな謎の上から目線ガイド・・・
恥ずかしいことではないので、ゆっくり泳いでもらうように相談してみてください。
よほど狂ったガイドでない限りより良い提案やアドバイスをもらえるはずです◎

透明度が悪い

海は気まぐれなもので、透明度(垂直視界)や透視度(水平視界)が抜群に良い時もあれば、
5m先が見えないという時もあります。
ガイドにピッタリついていればロストの心配も少ないですが、ベテランダイバーや控えめな性格のダイバーさんは後方に位置取りしがちです。
透視度や透明度が悪い時ほどガイドから離れないように心がけましょう◎

事故の原因その②エア切れ

エア切れとはタンクの空気がなくなることです。
重大な事故に直結するものが多いので、すべてのダイバーが気をつけなくてはなりません。
エア切れの原因をいくつか紹介します。

他のメンバーよりも空気消費量が多い

レギュレーターによる呼吸に慣れず常に深呼吸をしていたり、大きな体格で一回の呼吸で多くの空気を必要とするダイバー等
空気の消費量にはかなり個人差があります。
自分が他のメンバーよりも空気の消費量が多いのかどうかはログブックで確認したり、水中ではこまめに残圧計を確認するようにしましょう。
また、水中で残圧計を確認する際は今のエアの残量を確認すると同時に
「このまま吸い続けたらダイビング終盤までもつか」というペースを確認しましょう。

深い水深でのダイビング

スキューバダイビングでは水深が深いほど空気を加圧された状態で吸うことになり、結果として空気の消費量が増えます。
具体的にいうと水深10mで30分呼吸して消費した空気が800Lだった場合、水深30mで30分同じように呼吸すると空気の消費量は1600Lにもなります。
深ければ深いほど、こまめに残圧計を確認する癖をつけましょう。

レギュレーターが外れる・リカバリーできない

ダイバーにとって生命線であるレギュレーター(呼吸源)。
本来そう簡単に外れるものではありませんが不運が重なり外れることもあれば、パニックにより自身で外してしまうことも・・・
レギュレーターにまつわるトラブルも紹介します。

水面移動で疲れて外してしまう

ボートダイビング時は特に注意なのがエントリー後の水面移動。
水面移動とは水面を泳ぐというそのままの意味ですが、フィンキックに慣れていなかったり
潮の流れが逆の時は体力的に辛い場面もあります。
そんなときにレギュレーターでの呼吸が苦しく感じて外してしまうと、波が来たタイミングで一気に海水を飲んでしまうこともあります。
水面はスキューバダイビングの事故の一番発生しているところという事を知って、
レギュレーターがどうしても苦しい時はスノーケルを使用するという基本を確認しておきましょう。

水中で他のダイバーと接触し、レギュレーターが外れることも

水中での視野はマスクのせいで本来の視野よりも狭くなってしまいます。
横から近づいてくるダイバーに気づけないこともあり、気づいたら真横にダイバーがいることもしばしば。
他のダイバーのフィンキックでレギュレーターが外れてしまっても、すぐにレギュレーターリカバリーをすれば問題ありませんが
普段から動作確認をしていないといざという時にできないという事もあります。
基本スキルのおさらいは定期的にしておきましょう◎

誰でもできるダイビングの事故予防

スキューバダイビングの事故はいくつもの小さなトラブルやミスが重なって発生します。
逆を言えば事故の予防はこまめな点検や簡単な対処で防ぐことができるものが大半です。
ダイビング前やダイビング中の事故予防を紹介します◎

ダイビング前にできる事故予防

上記にもありますが、特にベテランダイバーさんとビギナーダイバーさんは要注意です( ゚Д゚)
潜水前のチェックで安全にダイビングを楽しめる状態にしましょう(^^)/

タンクの残圧

ダイビング開始前にまずチェックするのがタンク内の残圧です。
空気の消費量うんぬん以前に元々入っている空気が少ないと元も子もありません。
現地スタッフから手渡されたタンクだとしても、もしかすると空気の充填ミスや他のダイバーが使い終わったタンク(業界では残タンと呼んだりしますね)
かもしれません。
必ず器材のセッティングの際に残圧計を見て、少なくとも170以上の残圧があることを確認しましょう。

レギュレーターの不調

一般的に1年に1回もしくは潜水回数100本に1回のペースでメンテナンス(オーバーホール)を行います。
ぱっと見ではきれいなレギュレーターでも1年も使えば中の細かい部品は結構錆びたりしています。
そのまま使い続けてしまうと徐々に各部からエア漏れをしてしまったり、最悪の場合ダイビング中にホースが裂けて爆発的なエア漏れを起こすという事も十分あり得ます。
ダイビング直前には必ずちゃんと空気が吸えるか等の確認作業をしましょう。

BCDの操作確認

レンタルのBCDを使用する場合、行く先々でBCDのメーカーやサイズ感が変わることは想像できますね。
しかしながら問題はそれだけではなく、基本的な給気や排気の方法まで物によって違いがあります。
海に入ってから操作方法を確認している暇はありませんので、必ずダイビング前に確認しましょう。
自分のBCDをお持ちの方も以前と比べて不調がないかのチェックは毎回欠かさず行いましょう◎

エントリーの手順・方法

ボートからのエントリーの場合、ボートの形状や水面の状況によってエントリー方法が変わります。
船べりに座り背中から落ちるバックロールエントリーや直立状態から一歩踏み出してエントリーするジャイアントストライドエントリー、
その他にも大型のボート(クルーザー)では座ってゆっくりエントリーするシッティングエントリー等様々なエントリー方法があります。
やり方がよくわからない場合等は必ずガイドやインストラクターに確認してサポートお願いするようにすることで水面でのトラブルも未然に防ぐことができるはずです。

ダイビング中にできる事故予防

続いてスキューバダイビング中の事故予防です。
気づいた時には大惨事なんてことにならないために注意しておきましょう⚡

定期的に残圧チェック

ダイビング中は常にタンク内の空気を消費しながらの活動になることは言うまでもありませんが、水深によって空気の消費ペースが変わります。
水圧が強くかかる深い水深ほど空気の消費は早くなりますので、こまめに残圧をチェックしていないと気付いた時には残り25%を下回っている可能性もあります。
また、ベテランダイバーが気をつけたいのが「いつもと違う状況」です。
普段から潜り慣れているベテランダイバーは水深と経過時間でおおよその自分の空気消費量を把握していたりしますよね。
しかしレギュレーターを長期間使い続けてオーバーホールに出していなかったり、いつもより頑張って泳いだ結果呼吸数が増えていたりすると
みるみるうちに空気が経ていくこともあります。
どんなダイバーでも必ずこまめに残圧をチェックしましょう。

バディやチームの位置確認

これもベテランダイバーさん要注意です。
ダイビングに慣れれば慣れるほどバディ間やチーム間の距離は開いていきます。
毎年数件耳にするダイビング事故もこれが要因の一つになっているケースがかなり多いですね。
透明度や透視度にかかわらず、ガイドやチームのメンバーが目視できないほどの距離には絶対に行かないこと。

あとこれは余談ですが、「ベテランなので一番後ろでほったらかしてくれていいです~」と言って水中でぐんぐん離れていくダイバーさん、
ガイドは「いや~〇〇さんのガイドは楽で助かります~」って口では言うかもしれませんが内心嫌ですし困ってますよ(笑)
その人一人の事故でショップが終わってしまうかもしれませんからね・・・

緊急時の対処法

これも超重要です。万が一ロストやその他のトラブルに陥った時にはどのような行動をするかを予め決めておきます。
僕はガイドをする時は必ずどれだけベテランでも「もしはぐれたらその場で待機、そのまま1分間目視だけでチームを探してそれでも見つからなかったら(迎えに来なかったら)ゆっくりまっすぐ浮上する。そして水面でBCDに空気を入れて浮力を確保してください」という文言を伝えています。
水面で浮力を確保できれば最悪の事態は避けられる可能性が非常に高いです。
いろんなガイドがいて、いろんな独自ルールがあると思いますが、ブリーフィングでもしもの時の話をされなかったら
「もしもの時はどうしたらいい?」と必ず聞いておきましょう◎

まとめ

リスクは当然ありますが、きちんとルールや基本を身に付ければ誰でも楽しめるのがダイビングです。
これから冬季のダイビングシーズンでダイブサイトは常連さんやベテラン勢の割合が多くなってくるはずなので、今一度安全潜水を心がけていきましょう!
慢心は大敵ですよ!!

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