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ダイビングに気になるを解説◎~水中でバランスが崩れる~

こんにちは!ダイビングインストラクターのかっきーです◎
ダイビング中にコロコロっとバランスを崩してしまうこと、ありませんか?
今回はダイビング中に前後左右のバランスをとる方法やちょっとしたコツをご紹介します。

バランスを崩す原因

ダイビング中にバランスを崩してしまう原因はいくつか考えられます。
実際にダイビング中に当てはまるものがあれば改善策もあります。

 

ウェイトが合っていない

ダイビング バランス
ダイビングを始めたての方によく起こる現象ですね。
自分は一体何kgのウェイトを巻けばちょうどいいのか・・・
これは「個人差がある」の典型的なパターンです。
実際にボクもダイビングツアーやライセンス実習等でよく現場で見かけますが、
「あなたは〇kgです」「あなたは〇kgです」など1発で言い当てることはなかなか難しいです。
しかも理由もはっきりしたものはなく、ダイビングの経験本数を重ねていく中で確定していくようなもんです。
ではダイビングにおけるウエイト数を左右する要因はどんなものがあるでしょうか。

 

〇身体全体における筋肉量や脂肪量による

筋肉と脂肪で同じ量でも浮力が違います。
筋肉は重く沈みやすいのに対し、脂肪は軽く沈みずらい特徴があります。
例)なかや●きんに君→沈みやすい
  マツコデ●ックス→浮きやすい
  お相撲さん・朝●龍→沈みやすい(力士はほぼ筋肉)
といった感じです。見た感じだけでは判断がつきにくいこともあるのです。

〇ダイビングスーツが新しいのか、古いのか

ダイビング バランス
ダイビングスーツには様々な厚さが存在します。
例としてはウェットスーツなら3mm、5mm、6.5mm等
ドライスーツなら3.5mm等
この生地の厚さがウェイトに大きく影響してきます。
ダイビングスーツの生地は細かい気泡がたくさん入っています。
この気泡の数が多いほど浮力が強いということになります。
ダイビング バランス
しかしながらこの気泡の数、ダイビングスーツの使用歴に比例してすり減っていきます。
特に曲げ伸ばしを繰り返す腕や足の関節等は減りやすいですね。
新品のダイビングスーツは想像以上に浮き、
反対に古いダイビングスーツは意外と浮かないものです。

〇ドライスーツなら中に着ているインナーも浮力に直結する

ドライスーツは服を着た状態で着ぐるみのように着用するダイビングスーツですね。
このインナーがモフモフのものであればスーツ内部の空気が排出しずらく、
浮力が増すことによりウェイトの量も調節しなくてはなりません。

 

〇使用するタンクの種類

ダイビングで使用するタンクは2種類。スチールタンクとアルミタンクです。
空気が詰まったタンク自体の重量にそれほど差はありませんが、
浮力となれば話は別です。
ダイビング バランス
アルミタンクはスチールタンクに比べてサイズは大きいです。
サイズが大きい(表面積が大きい)ものは浮きやすい性質があります。
例・・・サッカーボールは浮くのにパチンコ玉は沈む
いわゆるアルキメデスの原理というやつです。
(説明しだすと文字数がトンデモナイことになるので今回は割愛します。)
普段からスチールタンクを普段から使用するダイバーがアルミタンクを使用する際は、
2kgほど普段より重めにウェイトを調整する必要があります。
ダイビングの序盤は普段通りのウェイトでもあまり問題ありませんが、
終盤に近付きタンク内の空気がなくなってくると一気に浮き気味になるので注意しましょう。

 

装着しているダイビング器材のサイズが大きい

バランスを崩してしまう理由はウェイト等の浮力関係の他に器材のサイズ感も大きく影響します。
特にフィットしてほしいのがBCDです。
上半身全体を覆う器材になりますが、これが大きいとBCDと身体に隙間が生まれ、
泳いでいる最中にタンクの重みにより左右にずれやすくなります。
一度身体が傾くと水中である以上踏ん張りもなかなか効かず、どんどん傾き、ついには身体がひっくり返ることになります。
水中でバランスを取るためには装着する器材のフィットはかなり重要なポイントです。

 

ダイビング中にバランスを崩さないために

先ほどの原因の中に当てはまるものはありましたでしょうか?
ここからはそうならない為の準備や、バランスを取るコツを紹介していきます◎

 

ログブックを有効活用

ダイビング バランス
ダイバーなら皆さんお持ちのログブック。
このログブックを隅々までしっかりと記録しておけば、
前回のダイビングで使用したウェイト数も確認することができます。
さらにウェイトだけではなく使用したスーツの厚さや、
ドライスーツ時のインナー等あらゆる情報をログブックの余白に書き込んでおけばなお効果絶大。
ログブックは自分のダイビングの経歴を示すものであると同時に、
過去のダイビングを自分で振り返るためのものでもあるので、
今までテキトーに書いてしまっていたダイバーさんもこれからはしっかり書いていきましょう◎

 

いつも同じ器材を使うのが吉

ウェイトの数だけではなく、その他の器材のサイズ感やその器材が元々持っている浮力も重要なポイントであることは先ほどの説明の通りです。
したがって本当に自分にベストなウェイトの数を知るには、
毎回のダイビングでいつも同じダイビング器材を使用することが重要です。
あまりにも高級な器材を持つ必要はないと思いますが、
自分用の器材というものはバランスを取る面においても、
安全の面においても、ダイビングを続けていくコスト面でも、
あらゆる方向から考えて「無理のない範囲」で自分用の器材は持つことがオススメです。

 

ウェイトを装着する位置

ウェイトのkg数がいつもと同じでも、体のどの位置にウェイトがあるかによって
ダイビング中のバランスも変わってきます。
ダイビングで最も望ましいウェイトの位置は・・・
ダイビング バランス
ここです。実は真横ではなく、できる限り体の前に位置するのが理想です。
理由はダイビング中の姿勢に注目です。
真横にウェイトがあると、少し体が傾けばウェイトの重みでさらに体が傾きやすくなります。
対して体の前に位置したウェイトの場合、
ダイビング中は常に下方向に重さが加わるので多少体が傾いてもウェイトの重さで
体勢の立て直しが楽になりバランスも崩しにくいのです。
誰にでもできる工夫なので、次回のダイビングではぜひ活用してみてください。

 

手足を広げる

ダイビング バランス
ここまで真面目に書いてきたのに、
最後にふざけるやん。とお思いのアナタ。
これこそダイビング中にバランスを崩さない為の最終奥義なのです。
そんな誰でもできることが実は効果バツグン。
水底にいる時も、泳いでいる時も、常に手足を広げていてください。
これだけでバランスを崩さないようになる理由としては、
水の中で抵抗を作ることにあります。
「筒より角材の方が転がりにくい」のと同じで、
水中でも左右の幅を大きくするだけでかなりバランスを崩しにくくなるのです。

 

まとめ

またしても長文になってしまいましたが、ここまでのお話をまとめると
〇体格やスーツ・器材によって必要なウェイトは変わる
〇ウェイトは自分に合ったkg数を知ることが重要
〇器材(特にBCD)のサイズ感もできればピッタリが良い
〇ウェイトは体の横ではなく前に付ける
〇手足を広げる
ということになりました。
すぐにダイビングで工夫できることもあるので、
次回のダイビングでは何か一つでも意識しながらやってみて下さい◎
一つできるようになればまた一つ、また一つとできることを増やしていきましょう。

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