ダイビングの気になるを解説◎~船酔いと波酔い予防~
こんにちは!ダイビングインストラクターのかっきーです◎
ダイビングに限らず日常生活の中でも「酔い」はほとんどの場合気持ちがいいものではありません。
車酔い、過度の酒酔い、雑踏での人酔いなどなど・・・
たくさんありますが今回はダイビングにまつわる「酔い」である、
船酔いと波酔いについての予防法を解説していきます◎
船酔いや波酔いとは
そもそもこの船酔いや波酔いの「酔い」とは何なんでしょうか?
すんごく詳しく書かれている記事もたくさんありますが、
今回はイメージしやすいように簡単に解説していきます(^^♪
船酔い・波酔いその他の酔い=脳のパニック状態
ダイビングに限らず、日常生活の中で酔うタイミングには脳のパニックが関係してきます。
通常の情報よりもたくさんの情報を脳が処理しきれず、
耳の奥(内耳)のある平衡機能(人体のバランスを整える器官)が狂うのです⚡
船酔い・波酔いの原因
先ほどの説明の中でたくさんの情報を脳が処理しきれずにパニック状態になると書きましたが、
一体どんな原因があるのでしょうか??
ダイビングでよく起こるものを紹介していきます◎
①船の横揺れ
ダイビングと船は切っても切れない関係です。
しかしこの船、ほんの少しの波を受けるだけで揺れてしまいます。
まずはこの「横揺れ」。
船が横から波を受けたり、または全く波がない状態でも船内の左右どちらかに重量がかかったりすると起こります。
横揺れしている、もしくは傾いているだけでも脳は内耳から「横に揺れてるよ」とか「通常より傾いてるよ」という信号を受け取ります。
どちらか一つだけの情報ならよほど大きな揺れや傾き出ない限り、
脳は正常に機能してくれます。
しかし両方同時に情報が送られてきたりすると、
「そんなにいっぱい情報送られてもすぐ対処できません!」と脳がパニックになり処理するのに時間がかかる分、
脳が情報を処理しきるまでの間酔っている状態になってしまいます。
②船の縦揺れ
船が少々大きめの波を超えていくときにフワッと体が持ち上がり、
波を超えた後水面に船底が叩きつけられます。
この上下の揺れも通常の生活の中であまり経験することがないので酔いの原因になります。
③波やうねりを中でのダイビング
揺れる船からやっと海へ入りダイビングを開始しても、
まだ酔いの原因は残っています。
それが波とうねりです。
ダイビング開始直後は水面もしくは水面付近にいますので、
小さな波でも直撃状態です。
さらに水中のうねりも合わさるとなかなかの揺れ具合・・・。
全身をあらゆる方向から絶えず振られ続けるので、
この波やうねりに直撃してしまう浅場に居続けると酔いやすくなります。
④水中での上下左右の視界不良(暗さや濁り)
ナイトダイビング時や濁りが強い水中では左右はもちろん上下を目で見ても奥行きが感じられません。
奥行きが感じられなければ目の焦点が合わず、脳内では目は開いているのにどこを見ているかわからない状態・・・
これにより脳が混乱して酔うことがあります。
⑤空気の誤飲
知らず知らずのうちにこの原因で船酔い・波酔いをしている方が結構います。
本来レギュレーターで息を吸った際に空気が向かう先は肺です。
しかし深呼吸をしすぎると肺に入りきらない空気が胃に入ってしまい、
胃に入った空気は浮上とともに膨張し、胃を内側から圧迫します。
ダイビング後半やダイビング終了後にボート上で吐き気を感じる場合はこれが原因の可能性があります。
⑥お腹いっぱいor空腹
どちらも脳からすると一つの情報になります。
揺れの処理に手一杯の脳にさらに余計な情報を送ることになります。
食べ過ぎも我慢しすぎも控えましょう◎
⑦極端に暑いor寒い
これも脳からすると余計な情報です。
どちらもリラックスモードには程遠いものとなりますので、
暑いなら水をかぶるとか、寒いならお湯に浸かるとかで対処しましょう(^^♪
⑧睡眠不足
これはかなり重要な原因です。
なぜなら先ほどの空腹や暑さや寒さは一時的なものなのですぐ対処できますが、
睡眠不足は寝ないと解消されません。
何をしてても脳は「眠いよぅzzz」状態です。
今からダイビングだというのに寝る時間はまずないので、ダイビングの前日はしっかり寝ましょうzzz
⑨その他メンタル面
今回のダイビングは準備万端!!これでもう酔うことはない!!
と心の底から思えているなら話は別ですが、きっとこんな感情もあるでしょう。
「でもいつも酔うもんな・・・大丈夫かな・・・」
これです。根性論ではありません。
脳からすれば「通常より緊張している」だけで
「リラックスホルモン出さねば!!!」と頑張るのである意味余計な情報です(笑)
他にもたくさんの酔いの原因はありそうですが、共通点としては
「通常よりも〇〇」ということです。
一つや二つの情報なら同時にすばやく処理しきれるかもしれませんが、
全てにおいて対処する(対処するように信号を送る)のは脳です。
この「通常よりも〇〇」の情報が多ければ多いほど船酔いや波酔いしやすくなります。
要はできるだけリラックスモードで行くのが吉ということです◎
酔いの予防について
一度酔ってしまうと復活には時間がかかりますので、
その間なかなかダイビングを楽しむことができなかったりします。
酔いに関しては酔ってからの行動よりも、酔わないように予防することが大切です。
船酔いや波酔い対策をいくつかピックアップしてみたので次回のダイビングで試してみてください◎
船酔い・波酔い対策(準備編)
ダイビングが始まるずっと前から酔いとの戦いは始まっています!
事前に準備できるものやしておく事については以下のとおり☟☟
体調を整える
体調不良でのダイビングは酔いだけでなく潜水病を招くリスクも潜んでいるので、
風邪などをひかないように気を付けましょう◎
ダイビング前日はいっぱい寝る
睡眠不足は大敵です⚡
できるだけ長く寝るように心掛けましょう◎
ダイビング前日に残業なんかは絶対避けたいですね・・・
週末のダイビングに向けて月曜日から頑張りましょう(笑)
ダイビング前の食事は適度に
食べ過ぎも我慢しすぎも良くないとということで、どれくらいの食事がいいのでしょうか。
基本的にはダイビングが始まる2時間前には食事を終え、脂っこいものは控えて量も少なめにして、
消化の良いものを摂るように心がけましょう◎
船酔い・波酔い対策(行動編)
しっかり酔い対策ができたなら、残すはダイビングでの立ち回り!
ダイビングの一連の流れやダイビング中での行動で酔いを克服していきましょう◎
船の後方に座る
船は前方が大きく揺れますが、対して後方は前方ほど揺れません。
揺れ自体を抑えるためにもできるだけ船の後方に座りましょう。
船の上では遠くを見る
ダイビングポイントへの移動中、どんなに海が穏やかでも船は多少揺れます。
そんな不安定な足場で下を向いていたり目を瞑っていると、
揺れを感じやすくなります。
できるだけ揺れを感じなくするために遠くを見ましょう。
船と自分だけを見比べるとかなり揺れていますが、
見えている広い範囲の世界と自分を見比べると実際大して揺れていません◎
ダイビング開始はできるだけすばやく
ダイビングポイントに到着した船にいつまでも乗っていると、それだけ揺れのダメージを負うことになります。
ダイビングポイントに到着すればできるだけすばやくエントリーします。
すばやくエントリーするためには事前にマスクの曇り止めを塗っておいたり、
ダイビングスーツはもちろんグローブも予め着用しておくなどの工夫も大切です。
スムーズな潜降が重要
水面は船よりもマシとはいえ、やはり波はあります。
揺れのない落ち着くゾーンである水深6mまでをいかにスムーズに抜けられるかで
ダイビングにかかるストレスは大きく変わってくるので、
スピードをつける必要はありませんがスムーズに潜降できるように特訓しましょう◎
潜降ロープを握らない
潜降ロープをつかって潜降するのは大正解です。
しかしこのロープを強く握ってしまうと状況によっては大きく体が振られることになります。
潜降ロープは船に繋がっていますので、水中は穏やかでも水面が揺れていれば船が揺れ、
同時に潜降ロープも大きく揺れます。
潜降ロープを使う際は強く握らずにフワッともつ程度にしましょう◎
薬について
酔い止め薬についてはオススメすることはできません。
ダイビング中の副作用等はあるともないとも言えませんので、
使用する際はお医者さんへの相談が一番安心です。
まとめ
酔いの正体は脳の情報多すぎによるパニックだったんですね◎
いかにリラックスモードでダイビングができるかが鍵ということです。
ダイビングと船酔い・波酔いは深い関係にありますが、
しっかりと準備していけば対策も十分可能です◎
次のダイビングが船酔いや波酔いもなく楽しい一日になりますように!!